私は音楽が大好きです。小さい頃にピアノを習っていたせいか、特にピアノの音を聴くと癒されたり、元気をもらえたりします。
そんな私の「みんことエピソード」は、高校生の頃にアメリカへ留学したときのこと。ミネソタ州の北のほうにある、人口500人の町にホームスティをしながら、現地の公立高校へ通いました。日本人はもちろん私1人。誰も日本語を話せません。そして「How are you?」と聞かれても「Hi!」と笑顔で答えるしかできなかった私の英語力。でも友達を作ることができたのは、ピアノができるなら、とカウンセラーの先生に勧められて取った"Choir(合唱)"のクラスのおかげでした。そのクラスの中で、みんなと声を合わせて歌ったこと、そしてピアノの伴奏をさせてもらったことで、 初めは少し馴染めなかったアメリカ人の高校生たちに対して、「あ、同じ高校生なんだ」と感じました。クラスのみんなも、初めて見る日本人に対して、同じ感情を抱いたようでした。また、歌詞の意味を通して英語を覚え、歌を通して発音も上達したことを覚えています。
またクリスマスには、各国からの留学生と一緒に「赤鼻のトナカイ」を同時に歌う機会がありました。私は日本語で、そのほかには英語、フランス語、ドイツ語、スウェーデン語、フィンランド語で声を合わせて歌うことができました。車の中でしたが、そこには小さな「ひとつになった世界」があり、みんなで感動した瞬間を今でもはっきりと思い出します。
今、NPOみんなのことば を通して、たくさんの子どもたちに生演奏のコンサートをお届けしています。そこで出逢う子どもたちの中には、目をキラキラさせて「楽しかった!」「感動した!」と宝物を見つけたような表情を見せてくれる子がたくさんいます。演奏家に憧れて「あのお姉さんみたいになりたい」とバイオリンを習い始めた子もいますし、習っていたピアノの練習を一層がんばるようになった子もいます。また、幼稚園の先生からは自閉症の子の表情が変わった、という言葉もいただきました。私自身も、子どもたちの「嬉しい」「楽しい」という笑顔が大好きで、いつもたくさんの元気と幸せをもらっています。
生演奏というひとつの出逢いによって、それぞれの心にある種が芽を出し始めています。この芽はそれぞれの形で成長し、花を咲かせます。音楽という“世界共通のことば”を奏でたり、楽しんだりする花がたくさん咲いたら、世界はもっともっとやさしくなる。私のアメリカでの経験と、出逢う子どもたちのキラキラの笑顔が、そう教えてくれました。この気持ちが、今の私の原点です。
2009年7月 渡邊悠子
【プロフィール】
千葉県出身。上智大学比較文化学部比較文化学科(国際ビジネス専攻)卒業。3年生在学中に、生演奏派遣・音楽家庭教師派遣・音楽ベビーシッター派遣を手がける株式会社エルパ
で1年間のインターンシップを経て、2003年、代表取締役に就任。最初の1年半は大学へ通いながら、2007年末までの4年間代表を務めた。在任中に東京都千代田区の紀尾井ホールで行った株式会社エルパ主催「家族で楽しむクラシック」では総合プロデューサーを務め、赤ちゃんも一緒に楽しめるクラシックコンサートを開催。好評を博した。2008年より1人でも多くの子どもたちへ楽しい音楽との出逢いを提供するため、新たにNPOみんなのことば の活動を開始。幼稚園、施設等へのコンサート提供、紀尾井ホールでの主催コンサートなどを経て、2009年3月に特定非営利活動法人化。
小田垣 栄司 (おだがき えいじ) : 副代表理事
株式会社ノヴィータ
代表取締役
呉 京樹 (ご けいじゅ) : 理事
人見 輝也 (ひとみ てるや) : 理事
株式会社青山企画「イー・カルボナリ
」
代表取締役
難波 毅 (なんば たけし) : 理事
株式会社Shuhali
取締役
日下 千帆 (くさか ちほ) : 理事
大学講師
元テレビ朝日アナウンサー
佐藤 仁良 (さとう まさふみ) : 理事
権田 典之 (ごんだ のりゆき) : 理事
寺尾 潔 (てらお きよし) : 監事
寺尾公認会計士税理士事務所
代表公認会計士・税理士




















