『結婚できない男』!? ブルックナー

ブルックナー

9月2日(月)のHAPON Morning Lounge、BGMテーマは「『結婚できない男』!? ブルックナー」です。

HAPON Morning Loungeは、毎週月曜日の朝、シェアオフィスのHAPON新宿とNPOみんなのことばがお届けしています。
新宿近郊の方、乗り換えで使っているよ!という方、月曜日はちょっと早起きをして、心にゆとりのある1週間のスタートをHAPON新宿でお過ごしください。

▼2日(月)のBGMの解説は、こちらをご覧ください。

ブルックナー 交響曲第4番「ロマンティック」

バッハ、ベートーベン、ブラームスの「ドイツ3大B」に次ぐ、「4人目のB」といえばこの人…後期ロマン派の時代、ベートーベンの「第9」に影響を受け大規模な交響曲を次々に発表したアントン・ブルックナーの名前があがるだろう。 彼は敬虔なカトリック信者で、協会音楽を彷彿とさせる荘厳なオーケストレーションを用いて交響曲の新時代を築いた人物である。 また晩年は作曲協会の要職を歴任し、音楽界でも収入面でも大きな成功をおさめたと言われている。

そんな、誰もが羨む成功者ブルックナーであるが、一つだけ大きな悩みがあった。
それは「結婚できない」ことである。

青年期から自分より年若い数々の女性のお尻を追いかけていたのだが、そのしつこさから多くの女性から拒絶されてしまう「モテない」人物であった。 さらに、周囲が呆れるほどの大食漢&酒豪でしられていたため、晩年はいわゆるメタボからくる生活習慣病での体の衰えで苦しむこととなる。 自分の作品への批評に対し常にナーバスであり、指摘をうければすぐに自作へ改良を施してしまうほどの神経質ないちめんもあり、女性への執着心もあってかなかなかプライベートで安らぎと幸せを得ることができなかったのかもしれない。

そんなしつこい「結婚できない男」ブルックナーだが、改良に改良を重ねた成果だろうか、作品の完全度は他に類をみないほど高く孤高の存在感を放っている。

今回ご紹介する第4交響曲は、9曲ある交響曲のちょうど中期にあたる作品でありブルックナーの代表曲の一つでもある。 まるでドイツの森に迷いこんだかのような濃密な情感と、その「しつこさ」とは相反する清々しさが同居する。 「二兎追うものは一兎をも得ず」というが…いやいや、このすばらしい作品を前に反面教師的に我々は仕事とプライベートの両立に努力しなくてはならないだろう!

NPOみんなのことば アートマネージャー
ヨコミゾヒロユキ

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