トンデモ女性遍歴?! 実は肉食系・ドビュッシー

ドビュッシー

9月9日(月)のHAPON Morning Lounge、BGMテーマは「トンデモ女性遍歴?! 実は肉食系・ドビュッシー」です。

HAPON Morning Loungeは、毎週月曜日の朝、シェアオフィスのHAPON新宿とNPOみんなのことばがお届けしています。
新宿近郊の方、乗り換えで使っているよ!という方、月曜日はちょっと早起きをして、心にゆとりのある1週間のスタートをHAPON新宿でお過ごしください。

▼9日(月)のBGMの解説は、こちらをご覧ください。

ドビュッシー『前奏曲集』

いつの時代も天才と奇人とは紙一重である。
これまでモーニングラウンジでもモーツァルトやショパン、ブルックナーら天才たちのトンデモな人生を紹介してきたが、今回登場するフランス音楽の革命児・クロード・ドビュッシーもご多分に漏れずトンデモなプライベートを送った天才の一人なのだ。

言わずとしれた現代ピアニズムの化身、ドビュッシー。
彼の登場によりクラシック音楽は従来の和声学から解き放たれ、時代は無調へと大きく進んでいく。 斬新な和声と革命的なコード進行を繊細な楽曲の中でまるで印象派のタッチのごとく淡く表現する…そんなナイーブな表現を得意とする彼も、私生活は意外に肉食系だったのだから驚きだ。

若き日、彼の良き理解者でありパトロンでもあったメック夫人の13歳の娘サーニャに手を出したのを皮切りに、現代男子も真っ青な女性遍歴を突き進むのである。 とにかく女と名のつくものは手当たり次第。有名な詩人マルメラの娘、人気ソプラノ歌手、ダンサー、画家の娘…といった具合。 その後、激しい恋に落ちたリリー・テクシエという金髪の美女と結婚するも、その影で振られた女性が自殺未遂を企てる。さらにリリーとの結婚から数年後、今度は資産家の娘エンマ・バルダックと不倫関係に陥り、その不貞を知ったリリーが自殺未遂。とにかくドビュッシーのゆくところ、泣かせた女性が両手の指の数より多いわけで…世間の目はそりゃ厳しくなる。 二人の女性を自殺未遂にまで追い込むぶっ飛びぶりはこれまで紹介した作曲家の中でも随一。

その唯一無二の個性がこの『前奏曲集』にも色濃く反映されていると言えよう。
逆にこれだけ革命的なアイデアを産み出し、既存のクラシック音楽における価値観をここまで破壊した天才の頭は凡人からすれば規格外であったのだろう。いずれにしても天才と奇人は紙一重…を地でいくドビュッシーの潔さは一種の清々しささえ感じてしまうのである。 ここまで我が道を貫き、誰にも真似できないものを作りだすことができる…そう、彼の生き方そのものがもはや真の『アート』なのである!

NPOみんなのことば アートマネージャー
ヨコミゾヒロユキ

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