時代を先取りしすぎた男、ベートーヴェン

ベートーヴェン

7月22日(月)のHAPON Morning Lounge、BGMテーマは「時代を先取りしすぎた男、ベートーヴェン」です。

HAPON Morning Loungeは、毎週月曜日の朝、シェアオフィスのHAPON新宿とNPOみんなのことばがお届けしています。
新宿近郊の方、乗り換えで使っているよ!という方、月曜日はちょっと早起きをして、心にゆとりのある1週間のスタートをHAPON新宿でお過ごしください。

▼22日(月)のBGMの解説は、こちらをご覧ください。

ベートーヴェン『弦楽四重奏曲第13番』と『大フーガ』

いわずと知れたクラシック音楽史上最大の巨星、L.v.ベートーヴェン。
どこの学校の音楽室にも肖像画が張られているのでその風貌はおなじみだが、はっきりいって、彼の音楽はもはや万人が容易に理解しえる範疇を超えているといえよう。

ベートーヴェンがその青年期から晩年に至るまで 継続的に創作を続けたのが、ピアノ・ソナタと弦楽四重奏曲である。 特に弦楽四重奏のジャンルは極めて私小説的な内容の作品が多く、技法は実験的であり斬新。 つまり、ベートーヴェンが本当に書きたかった音楽はこの『弦楽四重奏曲』というジャンルに集約されているといっても過言ではないのである。

本日ご紹介するのは、晩年に書かれた『弦楽四重奏曲第13番』と『大フーガ』。
この『大フーガ』は初演時、『13番』の終楽章として作曲され披露されたのだが あまりにも難解、そして過激な音楽だったため大不評を買ってしまうのである。 そのためベートーヴェン自ら終楽章をまったく新しいものに書き換えるという異例の事態にまで発展してしまう。 それほどまでに聴衆は、この不響和音と暴力的なまでにイレギュラーなリズムが支配するこの作品を受け入れることができなかったのである。

だが、どうだろう。 この作品が初演されておよそ190年後の社会に生きる我々がこの『大フーガ』をはたして理解することができるだろうか? 電子音楽やテクノ、ロックやポップスなど、19世紀に比べれば音楽は多様化しより複雑化しているにもかかわらず この『大フーガ』の前に、我々はなすすべなく圧倒され、立ちすくむほかないのである!

20世紀を代表する、かの大作曲家ストラヴィンスキーは言っている。
『これは、永遠に現代的な楽曲である』

時代を先取りしすぎた男、ベートーヴェン。
その天才的で刺激的な音楽にあやかり、猛暑も夏バテも吹き飛ばしてみてはいかがだろうか。

NPOみんなのことば アートマネージャー
ヨコミゾヒロユキ

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