代表メッセージ

「楽器を手にする子どもは、武器を手にしない」

結婚式やパーティーの生演奏をコーディネートする仕事をしていた私は、本番の演奏よりも小さな部屋で聴くリハーサルが大好きでした。肌で感じる音の振動、アーティストの息づかい、アンサンブルの目・呼吸・音での会話。美しく奏でられるクラシックの名曲とともに、胸が高鳴りました。

「生演奏は、BGMではなく、子どもたちこそ体験するべき!」と強く思ったとき、コロンビアのウリベ大統領(当時)が国の治安を良くするための政策に掲げたスローガン「楽器を手にする子供は、武器を手にしない」に背中を押されて、NPO法人を立ち上げました。2009年のことです。


ご支援者に支えられ、ともに感動を共有できる家族のような運営メンバーやアーティストと一緒に、ほぼ毎日のように子どもたちへ音楽を届けているという現在の状況は、設立当初から考えると奇跡のようです。

しかし、心を育てる生演奏の体験があたりまえの社会をつくりたい、という思いで活動をしてきましたが、子どもたちにとって“あたりまえ”には、まだまだ。

多くの園で毎年遠足があるように、人形劇が来るように、そして多くの家庭で動物やテーマパークに行くように。
コンサートが、五感を使って心を育てる体験に、そして大人も子どももわくわく待ち遠しい体験のひとつに入るようにしたい。

2009年より12年の経験と実績を持つ、未就学児を対象にしたコンサートの専門家として、できることは多いと考えています。さまざまな人や企業・団体と手を取り合って、より多くの「心を育てる体験」の機会をつくると同時に、啓発を通した“あたりまえ”に挑戦してまいります。


私もひとりの未就学児の母親として、子どもと親にとっての「あったらいいな」を実現したい。

また、子どもが成長した時に、やさしく、やわらかな社会であることを心から願っています。

未来をつくる子どもの心と感性を育てる活動に、ぜひご参加・ご支援ください。

2021年2月
NPO法人みんなのことば
代表理事 渡邊 悠子

プロフィール

千葉県出身。上智大学比較文化学部比較文化学科(国際ビジネス専攻)卒業。
3年生在学中に、生演奏派遣・音楽家庭教師派遣・音楽ベビーシッター派遣を手がけるベンチャー企業で1年間のインターンシップを経て、2003年、代表取締役に就任。最初の1年半は大学へ通いながら、2007年末までの4年間代表を務めた。在任中に東京都千代田区の紀尾井ホールで行った主催コンサート「家族で楽しむクラシック」では総合プロデューサーを務め、赤ちゃんも一緒に楽しめるクラシックコンサートを開催。好評を博した。
2008年より1人でも多くの子どもたちへ楽しい音楽との出逢いを提供するため、新たにNPOみんなのことば の活動を開始。幼稚園、施設等へのコンサート提供、紀尾井ホールでの主催コンサートなどを経て、2009年3月に特定非営利活動法人化。
2017年2月に出産し、1児の母に。現在は、企業での講演、学会へのパネリスト登壇など、活動について発信する場を広げている。
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