ドイツ・がんこ職人紀行~ブラームスのここが「匠」!

ブラームス

9月30日(月)のHAPON Morning Lounge、BGMテーマは「ドイツ・がんこ職人紀行~ブラームスのここが『匠』!」です。

HAPON Morning Loungeは、毎週月曜日の朝、シェアオフィスのHAPON新宿とNPOみんなのことばがお届けしています。
新宿近郊の方、乗り換えで使っているよ!という方、月曜日はちょっと早起きをして、心にゆとりのある1週間のスタートをHAPON新宿でお過ごしください。

▼30日(月)のBGMの解説は、こちらをご覧ください。

ブラームス『ピアノ五重奏曲』

モーニングラウンジですでに何度も取り上げている、偉大なドイツ三大Bの一人・ブラームス。
これまで、彼の派閥争いや避暑地での現実逃避的なバカンスの過ごし方などをとりあげてきたが、それらのエピソードはひとえに彼の極度に真面目で実直な性格からくるものであろう。

今日はそんな「のめりこみ派」ブラームスの独特な作曲スタイルについてお話をしよう。
ブラームスは、ひとつの作品を世に出すにあたり、きわめて長い時間を要する作曲家である。つまりいつも自身の作品の出来に満足できず何年もかけ納得がいくまで改良に改良を重ねてゆく…そのスタイルはまるであの世界的アニメ監督のようである。(何となく風貌もよく似ている…)例えば有名な交響曲第1番は、先輩ベートーベンの存在をあまりにも意識しすぎたためか、改良に改良を重ねて着想から初演まで21年もかかっているのだから驚きだ。

1864年に作曲されたピアノ五重奏曲も、例に漏れず何度も改良を重ね作り上げられた作品である。
まずこの作品は弦楽五重奏曲として着想を得、試演にまでこぎつけたが評判がイマイチだったため即刻破棄。 続いて二台のピアノのためのソナタとして書き直され自身のピアノで初演をし、さらに周囲の助言を得てピアノ五重奏曲として再度書き直される…こうしてやっと今日に伝わる作品の姿に落ち着くのである。 改良に改良を重ねながら、長い年月をかけ熟成をさせるこのやり方はもはや「匠」。 音楽という名の美酒をこだわり抜いて作り上げる頑固職人である。

折しも、いよいよ芸術の秋。
今年の秋の始まりは”本物”の匠の技に触れ、新たな季節の到来を最高級の美酒で祝おうではないか!

NPOみんなのことば アートマネージャー
ヨコミゾヒロユキ

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