大作曲家も楽じゃない!派閥争いにご用心

ブラームス

8月12日(月)のHAPON Morning Lounge、BGMテーマは「大作曲家も楽じゃない!派閥争いにご用心<ブラームス>」です。

HAPON Morning Loungeは、毎週月曜日の朝、シェアオフィスのHAPON新宿とNPOみんなのことばがお届けしています。
新宿近郊の方、乗り換えで使っているよ!という方、月曜日はちょっと早起きをして、心にゆとりのある1週間のスタートをHAPON新宿でお過ごしください。

▼12日(月)のBGMの解説は、こちらをご覧ください。

ブラームス「交響曲第三番」

ドイツ三大「B」に名を連ねるヨハネス・ブラームス。
堂々たる風貌と質実剛健な作風から、「真面目」「堅物」と揶揄される後期ロマン派の超大物。 だが、そんな大作曲家ブラームスも心中穏やかで居られなかったものがある。 それは、当時のドイツ・・はたまたヨーロッパ全土を巻き込んで繰り広げられた 『派閥争い』なのだ。

19世紀中盤、大規模なオペラを自ら楽劇と称し 常識破りな管弦楽と気宇壮大な神々の世界を描いて人気絶頂の作曲家・ワーグナーが ヨーロッパの作曲家たちに一台旋風を巻き起こしていた。 ブルックナー、R.シュトラウス、マーラーなど名だたる作曲家が彼を尊敬し崇拝していた。 そんな中、反ワーグナーを掲げ保守派の筆頭であったハンス・リックが ワーグナー派への対抗馬として祭り上げたのが、ブラームスだったのである。 本人としては、いい迷惑…はたまた何のとばっちりかはた迷惑か…。 ともかくここに『革新ワーグナー派』VS『保守ブラームス派』という 当時音楽界を二分する大派閥争いが勃発したのである。

そして『交響曲第三番』である。 初演は大成功、ブラームスは再三カーテンコールに呼び出されるというが その後の批評は派閥の対立で真っ二つに割れたのである。 ブラームス派で彼を祭り上げた張本人、ハンス・リックは 『芸術的に完璧な作品として心を打つ』と高い評価を下す一方 ワーグナー派筆頭フーゴ・ヴォルフは 『独創性というものが欠けた出来損ないの作品だ!』 とほとんど誹謗中庸といっても過言ではない批評を発表して抵抗した。

いやはや、人のしがらみとは偉大な芸術作品をも陥れてしまうのであろうか。
否、である。 この作品は今日まで、ブラームスの代表的作品のひとつとして 演奏され、聴衆に愛されてきたのである。 『派閥争い』、最後に笑う奴は誰なのか。 その耳でしかと確かめてみようではないか!

NPOみんなのことば アートマネージャー
ヨコミゾヒロユキ

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