夏バテに、刺激はいかが? ショパンとジョルジュ・サンドの危険なカンケイ

ショパン

8月19日(月)のHAPON Morning Lounge、BGMテーマは「夏バテに、刺激はいかが? ショパンとジョルジュ・サンドの危険なカンケイ」です。

HAPON Morning Loungeは、毎週月曜日の朝、シェアオフィスのHAPON新宿とNPOみんなのことばがお届けしています。
新宿近郊の方、乗り換えで使っているよ!という方、月曜日はちょっと早起きをして、心にゆとりのある1週間のスタートをHAPON新宿でお過ごしください。

▼19日(月)のBGMの解説は、こちらをご覧ください。

ショパン「ピアノ・ソナタ第1番・第2番・第3番」

『 ピアノの詩人』で有名な大作曲家ショパン。
39年の短い生涯の中で、繊細かつ大胆、革新的なピアノ作品を多く残した天才である。

そんなショパンの生涯を語るうえで避けて通れない一人の女性がいた。 その名を、ジョルジュ・サンド・・・本名オーロール・デュパン。 時のデュドヴァン男爵夫人である。

彼女はショパンと同時代に活躍したフランスの女流作家である。 夫、デュドヴァン伯爵とは一男一女を授かるが間もなく夫婦仲は冷え込み別居。 以後『ジョルジュ・サンド』というペンネームで作家として華々しい活躍をはじめる。 それと同時に、男装し社交界に出入りして話題になったり、様々な文化人たちと浮名を流すというなかなかの女傑ぶりを発揮。

そんな『ぶっとんだ』女、サンドを青年ショパンは冷ややかな目で軽蔑していたのだが 次第にサンドの熱い視線に惹かれ、激しい恋に落ちてしまうのである。 一人の女性を一途に愛する純情青年ショパンと あけっぴろげでエネルギーに満ちた女傑サンドの恋は10年の長きにわたり続いた。 そのなれそめから破局までの恋路を見届けたヴォイチェフ・グジマワ伯爵はショパンの死後 「もし彼がジョルジュ・サンドに出会わなければ、彼女にその生命を毒されること無く長生きしていたであろう」 とまで言われている。

それほどまでにこの不釣合いな二人の、世を忍んでのキケンなカンケイは 病弱だったショパンの心身を蝕んでいたのであろうか。

否、そう決め付けるのはまだ早い。
実はこのジョルジュサンド、愛するショパンを金銭的に支え 彼が創作に没頭できる環境を作ることに心を砕いていたというではないか。 すばらしい才能を支えるため「母のような愛情を育んでいく必要がある」と彼女は書き綴っているのだ。

そんなサンドとの真実の愛が芸術として結実したのがこの『ピアノ・ソナタ』であるといえよう。 特に第2番、第3番はサンドとの公私共に二人三脚の日々から生まれた 彼の最高傑作といえよう。 連日の猛暑・夏バテも吹き飛ばす、刺激的でキケンな香り…そして、優しさと愛情に満ちたこの作品を聴かずにはいられないはずだ!

NPOみんなのことば アートマネージャー
ヨコミゾヒロユキ

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