こんにちは。田野倉です。
先日、ヒトラーの側近が書き記した日記が発見されたそうです。
400ページに及ぶ日記では、ユダヤ人や東欧の人々を虐殺するための計画についても 詳細に触れられていたそうです。終戦から63年が経つ今でも、大戦当時を知る新たな資料が見つかっています。
今日は、こちらも大戦の悲劇を明らかにする映画「戦場のピアニスト」をご紹介します。
主人公シュピルマンは、ポーランドのラジオ局でピアノ演奏の仕事をするユダヤ人。 世界は第2次大戦に突入し、 ポーランドはドイツに占領されてしまいます。 彼の家族をはじめ、ユダヤ人たちは収容所に送られてしまいますが、 彼は、ユダヤ人警察によって助けられます。
ポーランドのワルシャワで、彼は1人で生き抜きます。
いつ死ぬのかわからない極限の状態で、 彼を支えたのは音楽でした。 実際にピアノを弾くことはできない状況でも、 彼は心の中で音楽を奏で、孤独や恐怖に耐えるのでした。
シュピルマンが、敵であるドイツ人将校の前でピアノを演奏するシーンがあります。 彼は、孤独・恐怖・怒り・悲しみなどすべての感情を演奏によって爆発させます。 その演奏を聴き、将校も涙を流し、心を動かされます。
監督ロマン・ポランスキー自身も、 ユダヤ教徒の父を持っていました。
大戦中は、両親と離れ離れになり1人で生き抜いたという、 映画と似たような過去があります。 その体験がこの映画にも反映されているのか、 主人公の極限の精神状態が、観る者に痛いほど伝わってきます。
現在、渋谷の映画館・イメージフォーラムで、 ロマン・ポランスキーが彼自身の人生を語っている映画、 「ロマン・ポランスキー 最後の告白」が上映されています(7/12まで)。 この映画といっしょに見ることで、 より「戦場のピアニスト」の世界を味わえるのではないでしょうか。
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